VOICE02 -Yusaku Arts Works-
国 民 総 呪 術 師 時 代

新年早々すみません。

今日は呪術についての興味や意見を書き留めたいと思います。

皆様のお正月気分を壊してしまったらごめんなさい。




国 民 総 呪 術 師 時 代

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ヒエロニムス・ボス(Hieronymus Bosch) 「快楽の園」(部分)


僕は2004年、呪術シリーズという3部からなるシリーズを描いたが、今でも呪術には興味があります。

今でも広く超自然的なものには興味があります。


呪いといえば日本で有名なものは「丑の刻参り等」が思い浮かぶでしょうか。

または南アフリカ共和国・ケニアなどにみられる伝統呪術師・呪術医等もシャーマニズムに見る「呪い」も割と有名。

「呪い」や「まじない」は人類の長い歴史の中で最も原始的な信仰として畏怖の対象となってきた。

今ではオカルティックに聞こえる「呪術」という言葉。

その時代には現実に効力を示す歴史風土や生活文化があった。

ちなみに異国の呪術を日本で行なっても全く効き目がないという。

しかし、限られた風土では、呪われた人は確実に死や病いを被ることは当然の事と見なされていた。

アフリカでは呪術医は日本で言う公務員的な地位があるという。

病気や怪我を治療するというだけでなく、不幸や恨み、妬みを解消する役割を果たしているらしい。

では全く違う風土である日本にも「呪い」や「呪術」は存在するのだろうか?

僕達の身の周りにはどうなのだろう。

答えは「ある」だと思う。

実は日本に(というか世界中に)、これほどの量の呪いが渦巻く時代はなかったのでは?という程の

一大呪術的時代だと僕は感じる。

目に見えないものが蓄積され独自の形をなしているのでは?と思う。

それはデフレでもドル安でも失業率悪化でも原発でもない。

まるで浴びるように、頭上に注がれるように、ゲリラ豪雨のように呪いは私達の日常に溢れていないだろうか。

そしてその呪いの大半は、かけた者も、かけられた者も気がついていない雰囲気やムードのようなものとして

我々の身の周りにあるのではないか。


はたと振り返っても身に覚えのない程ありふれたもの。

では現在の主な呪いは何かというと。

それは「言葉」だと思う。


言葉は氾濫するばかりで消えていかなくなった。

いつでも観覧できる、何年も前のものまで。

言葉も誰にでも投げかける事ができる環境になった。


人々は「奇妙な自分自身の拡張」を感じる。

僕も感じている。

これがアンディ・ウォーホルが予言した「誰もが15分間の有名人になれる時代」なのか。

ウォーホルはもっと平和的な意味で、こう言い表したのかもしれないが。

僕の周りには言葉を大切に、良い使い方をしている人が多いけれど、

ひとたびメディアやネットの世界に目を向ければ、とても怖くなる。

僕は最近のテレビが怖い。もともとあまり観ないが。


言葉は言魂(言霊)ともいう。

言霊とは言葉に宿ると信じられた霊的な力のこと。

例えば朝、仕事で玄関を出て行く夫に「あなた顔色悪いわね」と妻が毎日言い続けると、

二週間程度で夫は本当に体調を壊すといわれている。

それは立派な呪いの効力だろう。

夫「そうかな…?自分では分からないが。 でも妻が言うのだから、そうなんだろうな…」

そして、浮かない顔をして出社し、若い女性社員にも

「あれ? ○○さん元気ないですね!風邪ですか?」等と言われる。

すると「やはり自分はどこか体調が悪いに違いない。だって皆そういうから…」となっていく。

人は他者の存在によって自分自身の形や状態を認識するのだから。

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ヒエロニムス・ボス(Hieronymus Bosch) 「快楽の園」(全体)


言う言葉も、書く言葉もそれは薬にも毒にもなるということだと思う。

言葉にはそれ程の強い力があり、人を導くことも、狂わすことも、殺すことさえできるものだと思う。

言葉の自由を許され、それが氾濫する世界に生きている僕達の周りには励みとなるものや導いてくれる良い言霊も多い。

けれど圧倒的に多いのは鬱的で目的を失った言霊達なのだと思う。

誰もが悪意もなしに、そういったものを万人に向けて発することができる。

悪意や愚痴を心で留めておかず、発することが呪術なのだと思う。

もしかしたら私達はインターネットやテレビという力を使うことで無意識的な呪術師になっているのかもしれない。


そして、ある作品の言い方を借りれば、自分の発した呪いは「蟻塚を通って自分に返る」のである。

諺で言えば「人を呪わば穴二つ」と言ったようなものかな。



現在が鬱気味で目的をもてない時代。

そう思わせるのは、なぜなのだろう。


僕は自分を励ましてくれる人の言葉に心からありがとうと言いたい。


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ヒエロニムス・ボス(Hieronymus Bosch) 「快楽の園」(左右が閉じられた状態)


中世の傑作であり、他に類を見ない世界観

ヒエロニムス・ボスの快楽の園は

開きたくない世界、でも気になって開いてしまう危険な匂いのする世界でもある。

この作品が生まれて500年経った現在、この世界が現実のものとなっていないだろうか?
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by yusaku_voice | 2013-01-07 13:02 | Comments(2)
Commented by takahashibiwa at 2013-03-26 23:20 x
ご無沙汰しております。
呪術シリーズ、今も私の部屋で常に目を楽しませてくれています。
縦長のシリーズも、また揃えたいと思っているのですが、、、
なかなか資金がたまりませんね、、、
でも、いつか絶対買いたいと思っております!

今後ともどうぞご活躍のほどを、、、
Commented by yusaku_voice at 2013-04-01 00:27
びわさん、こんばんは☆彡

メッセージありがとうございます。
返信が大変遅くなりまして申し訳ありません。

僕もびわさんの作品は玄関に飾ってあります。
母がとても気に入って「年々よく見えてくる」言います。


とても精力的に活動されている、びわさんに勇気をもらっております。
今は滋賀に住んでおりますので、なかなか作品を見せていただく機会が少なくなってしまったのですが是非また、びわワールドを見せてもらえたらと思います。

是非僕の作品も宜しくお願いします。

お互いの発展を願いまして。
そしてなによりお元気でお過しください。


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Miyahara Yusaku
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1979年生まれ
滋賀県在住
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